稀音家千鶴“華麗なる調べ”Part5 ほたると楽しむ江戸の粋

長唄三味線の演奏家として世界的にご活躍の稀音家千鶴師匠が
今年もライヴを開催されました。

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聞くところによると、大変ありがたいことに、私はご指名をいた
だいているのだそうで(もしかして指名手配?笑)、ブランド・
カラー・プロデューサーの鳥沢久美子先生にお声を掛けていただ
きました。早くも、もう5回目だそうで、私は2年ぶり4度目と
なりました。

千鶴師匠は、昨今プライベートでとてもお忙しい日々をお過ごし
だったとのことで、少しお疲れがみえる印象でしたけれども、
そこはもちろん、一旦三味線を持てば自然と芯に火が衝いたかの
ように、エネルギーが放たれるのを看て、もうこの方は三味線その
ものだなと思いました。

そんな、いつも以上に気を張っている師匠を気遣うかのように、
勝手知ったるいつものお仲間の皆さまは、それぞれご自身のレベ
ルを1ノッチか2ノッチほど持ち上げて演奏されているのが伝わっ
てきて、観ているこちらの胸が熱くなります。

とりわけ長唄の海津紫乃さんや真鍋希帆さん、笛の福原百恭さん、
太鼓の島村聖香さんといった方々の熱の入りようが伝わって
きました。

そんななか、とりわけ衆目を引いたのは、今回特別ゲストとして
参加された、こうの紫さんで、三味線はもちろん、唄も作曲も
指揮もこなされるマルチ・タレントを魅せて下さったのですが、
プログラムに盛り込まれた現代邦楽の「HANA」という曲は、
邦楽器での演奏ではありますが、リズムは完全にロックであり、
ダブル・トリオ時代のキング・クリムゾンを髣髴とさせる分厚い
アンサンブルで、これならば、ヴィヴァルディの夏なども、
邦楽器で演奏できるのでは?と一瞬余計な想いが過ぎったほどです。

とかく邦楽器というと、線の細い印象が強いイメージがありま
すが、それを見事に覆して、聴いているこちらの腰が抜けるほど
強力な新世界を構築される圧巻ぶりです。

今回は椿山荘の舞台にさらに前舞台を設置して、立体舞台として
演出されていましたので、長唄に合わせて舞う花柳廸薫さんの
華麗な踊りや、同じく「神田祭」の長唄も、スケールが一段と
大きく、音も広く雅叙園とはまた違ったゴージャスな1時間半と
なりました。

終演後は、千鶴師匠のおすすめに従って椿山荘の蛍を見せて頂き、
蒸し暑さが始まった今年の東京を涼しげに照らしてくれました。

感謝!