UP CLOSE / Eric Johnson

ギタリスト界の人間国宝か世界遺産か、いずれにしても成層圏を
越えたところにいるだろうエリック・ジョンソンが、5年ぶりに
新譜を発表しました。そのタイトルがUP CLOSE。


Eric Johnson / Up Close


Eric Johnson / Up Close

エリックのことを知ったのは、かれこれ20年近くも前のことで
すが、いかにも天才肌の数年に1度というペースでアルバムを出
すので、なんだか普段は新作を聞かれないことが当然のように思
う一方で、だからこそ限られた作品を大切に繰り返し聞くことに
も繋がっているように思います。

逸る気持ちを抑えて新作を聞くと、いつものような煌びやかな速
弾きのソロが流れるのではなくスロートーンから始まり、ちょっ
とした肩透かしを食らいます。円熟という言葉がぴったりくる内
容に驚きました。

しかし考えてみれば、エリックももう56歳ですから円熟という
時期を迎えても当然でしょう。これまでのレコーディングやライ
ヴでのパフォーマンスが高い次元で統合されたようなギタープレ
イは、ある種の達観のような安定感になって表れているように感
じました。

それでも5曲目のGEMでは、あのLonely In The Nightの伝説の
ギターソロを曲にまとめたような孤高の美しさは健在で、これこ
そ男の強さと優しさと哀しさを見事に切り取って、16年前の夏
とまったく同じように動けなくなりました。

16年前と違うのは、周囲の森羅万象のスケールが小さくなって
いっていることで、例えば女性の皆さまにはセカンドバージンな
どで共感していないで、このギターソロを聞いて男心でも学んで
みたらどうかと思います。

難行苦行の1年の最後に、魂を救われるような奇跡がここにあり
ます。

来年の夏には来てくれるかな?


感謝!
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